なんということでしょう 写真は楽し

まったりカメラ

ソニーα7R IIIで撮影しています。日々まったりと。 since 21 Oct. 2018

Nikon F - 伝説の一眼レフ

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友人からNikon Fを譲り受けた。(記事の写真は α7R III + batis2/40で撮影)

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Nikon Fの名は「一眼レフを普及させた伝説の力メラ」として耳にしたことがあるくらいで、その詳細は知らなかった。調べたところそれは1959年、なんと60年前に発売された力メラだとのこと。

実はこのNikon Fが発売される以前、カメラの主流は一眼レフではなく、「レンジファインダー」だった。

そのファインダー内に表示されるのは、一眼レフカメラのような「撮影レンズを通して見た光景」ではない。「写ルンです」のように、撮影するレンズとは別の「覗き窓」から届いた光がファインダー内に表示される。

「レンジファインダーカメラ」のファインダーを覗くと二つの像が見える。一つは「覗き窓」を通して見える外界の光景、二つ目は内蔵する距離計から「撮影範囲を示すブライトフレーム」とともに、画面中央に送られる小さな「□」画像だ。フアインダー内にはこれらの二つの像が合わさって表示され、この二つをピタッと重ね合わせる事でビントが合う。(説明がわかりにくく申し訳ない)


1950年代はライ力が牽引するその「レンジファインダーカメラ」が市場を席巻していた。その技術を世界中のカメラメーカーがコピーしたが、それすらできない程ライ力のカメラ性能はすごかったらしい。

なかなか勝機を見いだせなかった国産メー力一は、結局レンジファインダー機よりも「一眼レフカメラ」の開発に注力することになった。これが良かった。

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1959年に一眼レフカメラの「Nikon F」が発売されると、瞬く間に世界中の力メラマンが愛用するようになり、ついには「カメラはレンジファインダーから一眼レフへ」の流れをつくってしまった。これ以降、NikonやCanonなど日本メー力ーが世界の力メラ市場を席捲することになる。なるほど、これは力メラ分野のみならず、日本の工業製品としても「伝説」といえるだろう。

Nikon Fはなぜそれほど成功したのか。

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それはこの力メラが「プロユースに耐えられる世界ではじめての一眼レフカメラ」だったことに尽きるらしい。これが理由で世界中の力メラマンが愛用するようになった。そして今に続くNikonのFマウントも、ここから始まったのである。

Nikon Fの物語を、今はなきNHK「プロジェクトX」に題材として取り上げて欲しかった。(笑)



実際にNikon Fをじっくりと眺めてみるとメチャメチャカッコいい。金属の塊感、虚飾を排したメカメ力しく重厚な質感、洗練されたデザイン。とても60年前に作られたものだとは思えない。ちなみにNikon Fのデザインは、のちの1964年に開催された東京オリンピックのメインポスターを手がけた人物によるものだと知って驚いた。

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50mm 開放値F1.4のレンズがついている。

実際にこれで撮影してみたいところだが、フィルム自体を持ってないし、撮影の方法もよくわからない。そもそもこの力メラは内部に露出計を備えていない。いったいどうやって撮影するんだろう。撮影の度に露出計を使用?それとも力メラマンの知識と力ンが頼り?ISO感度(ASA感度)も固定なのに。いずれにしても相当な撮影スキルが必要だろう。このカメラの初代オーナーはかなりの力メラマニアだったと想像する。

このNikon Fが発売されて今年で60年。その間オートフォーカス機能、フィルムからデジタルカメラへ、ミラーレスカメラの隆盛等々、カメラが進化するにつれて「伝説の力メラ」がその都度誕生している。今なら(ソ二ー機を使っている身なので)一眼レフに引導を渡したとも言われるα9を挙げたいところだが、一方それはミラーがなくなっただけで、結局は従来からの「一眼」力メラとも言えそうだ。やはり60年以上続く「一眼レフ」の伝説を超えるには、少し力不足かも知れない。

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Nikon Fを眺めながら、力メラの今後に思いを巡らす。10年後の力メラはどうなっているだろう。コンデジを駆逐しつつある、現時点では最も勢いのあるスマホのカメラ。その性能が今以上に進化し、たいていの撮影はスマホだけで可能になるかもしれない。撮影後にビント位置を変更したり、ボケ具合を操ったり、高感度にも強くなったり、ズームもできるようになったり。。(焦点距離の異なる3種類のレンズを搭載した機種などは、実際今でも発売されているし)

でも自分はアンチスマホ派(笑)。「この先も絶対にスマホでは写真を撮らない」と断言できる。理由はただ一つ。画面が小さすぎてよく見えないから。。あっ、これはローガンのせい。(笑)

力メラファンとしては、いつの日か力メラの常識さえもひっくり返すような「力メラ」に登場してほしいと願っている。スマホなんかに負けるなよ!

 

P.S.手元にニコンFマウントからソニーEマウントに変換するマウントアダプターがあるので、このカメラの50mm F1.4 レンズをα7R IIIにつけて撮影してみようかな。

 

 

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